第1話
あるところに領土は小さいが、平和な国がありました。
そこには双子の王子がいて、そろそろ世継ぎを決めなくてはいけない時期にきていました。
そこで王様は言いました。
「今から外へ行き、立派な国を建てることが出来た者を王とする。しかし、略奪や戦争をした場合はその権利はなくなる。さあ、ゆくがよい。」
いきなり言うなくそ親父。
兄のタガットはそう思いくだらなく思いました。そんなことをしなくても自分は王になる気はさらさらなかったからです。
そう、小指の爪ほどにも思ってなかったのです。
しかし、平和な国とは裏腹にかなり頑固なくそ親父・・・いや、王様は一度決めたことは変えません。
仕方がなくそれに従うことにしましたが、ただ従うのも面白くありません。タガットは自分の夢見る国を作る計画を始めました。
準備として1日だけ国に残ることを許された二人の王子は、早速準備をはじめました。
「おい!バンジ!どこにいる?」
「はい、およびですか?」
タガットに呼ばれて出てきたのは、タガットの世話役のバンジ。
背の高い、銀髪の優しい顔をした男性です。
「なんだかゆっくりしておられますね。そんなんで大丈夫なんですか?」
「知ったことかよ。あいつが勝手に言い出したんだ。まあ、それを理由にやりたいことやらせてもらいますよ。」
「まさか、ハーレムとか言うんじゃないでしょうね?」
「わかってんじゃん!」
「乗り気になるなよ・・・。」
「まあまあいいじゃねえか。好みの女はべらせたいしよ。」
「お前は本当に王子か?」
タガットは耳をウィーンと折りたたみました。
「王子!」
バンジが極悪な顔をします。
「分かってるって。それなりに暮らしていけるようにはするから、頼む、ついてきてくれ!」
「俺はお前の嫁か?」
「似たようなもんだろ。俺が5つの時から世話して暮らしてるんだからよ。」
「やめてくれ、俺にはその気はない。」
「一緒にハーレム作ろうぜぇ。」
「仕方ないなあ・・・。で、何をするんだ?」